ACC2023に参加して (橋本剛先生より報告)

 ニューオーリンズは米国のルイジアナ州にあるメキシコ湾に面した南部の町です。ジャズ生誕の地と言われ、フレンチクウォーターと言われる地区には常に音楽が流れている賑やかな街です。歴史ある建物、ケイジャン料理、ブードウー教博物館などがあります。今回、米国留学中の上司、同僚、友人たちと再会することができました。ブラジル、インド、トルコ、ハンガリー、アメリカ、中国と多彩な人種が集まりました。皆、ノーマスクで開放的な雰囲気でした。ACCの会場はあふれんばかりの人で、久しぶりの再会を喜んだり、それぞれの分野での研究について議論をしたりと非常に盛り上がっていました。

 また、留学先の上司もLate breakingで発表し、同日NEJMにpublishされ、記念すべき日となりました。世界初となる経カテーテル三尖弁逆流治療のランダム化比較試験(TRILUMINATE Pivotal ClinicalTrials.gov number, NCT03904147)で、対照群(薬物治療群)と1年後の死亡、入院率に差はありませんでしたが、T R重症度の改善、KCCQ(生活の質)の有意な改善を認めました。また、手技30日後の98.3%の患者で重篤な合併症を認めませんでした。CT、MRIによる評価によるサブ解析や中期的な予後に関して、今後良好な結果が期待されます。